前回は、一眼動画撮影の音声収録における3パターンのケースに分けて、一般的な対策方法を紹介しました。

動画撮影時のマイク音声のヒスノイズ対策方法(前編)

今回は、IK Multimedia「iRig PRE」という小型のマイクプリアンプにちょっとした改造を加えて使う方法をご紹介していきます。

IK Multimedia “iRig PRE” プチ改造

iRig PRE とは

「iRig PRE」はiPhone、iPadなどのiOSデバイスに一般的なマイクを繋げてレコーディング出来るように考えられた小型のマイクプリアンプです。
この小さなサイズながら、マイク入力はXLR端子で、ファンタム電源もついています。しかもこの値段はなかなか他に無いと思います。

IK Multimedia「iRig PRE」

IK Multimedia iRig PRE

こんな人にオススメ

これを使う人のシチュエーションは、
「ワンマンで撮影するから音声収録も自分でしなきゃいけない。使いたいマイクはXLR接続のものだけど、出来れば外部レコーダーを使わずに、カメラに繋げて直接録りたい。
でも、そういう用途向けに販売されているマイクプリアンプは、かさ張るし、重くなるし、値段もそこそこ高いから何か良い方法はないかな〜?」

という人向けです。

かなりニッチですね(笑)

改造内容

ということで、ここでやることは、iOSデバイスの代わりにカメラのマイク入力につなげて使えるようにすることです。

改造と言っても、1箇所半田付けする程度なので簡単ではありますが、あくまでも自己責任の上でお願いします。

ちなみにですが、もし、お使いのカメラにヘッドホン端子があるならば、こういうYケーブルを使うことにより、改造しなくてもそのまま使えてしまえます。

このやり方はもともと海外のブログDSLR Film Noobで紹介されていたものです。

改造の手順

では、ここから実際に「iRig PRE」をハックする方法をご紹介していきます。

順を追って解説していきます。

分解

まず、電池フタを開け、矢印部分のネジをはずします。

iRig PRE 改造1

開けるとこのような状態です。

iRig PRE 改造3

配線カット&半田付け

5本束になっているケーブルを写真の位置でカットします。

iRig PRE 改造4

そして、赤、黄、黒のケーブルの被覆を剥いて、3本まとめてねじっておきます。

注)黒いケーブルは2本ありますが、文字が印字されていないほうのケーブルですので間違えないでください。

iRig PRE 改造5

この3本まとめたところに半田付けします。

iRig PRE 改造6

半田付けした配線を熱収縮チューブで絶縁しておきます。

残った緑と黒(文字付き)の線は両方共GND線です。
既に回線が繋がっていますので、熱収縮チューブそのまま2本まとめておきます。

iRig PRE 改造7

組み立て

ケースを戻してネジを締めて完了です。

iRig PRE 改造2

検証

完成したものを検証してみました。
効果はいかほどでしょうか?

カメラ本体のマイクで録音したものと、このiRigPREハック版を使って録ったものの2つの音声ファイルを貼っておきます。

マイクが違うのと、外の騒音が結構入ってしまっているので厳密な比較にはなりませんが、かなりノイズが目立たなくなったのはわかるかと思います。

カメラ本体のマイクで録音したもの。


ガンマイクをiRig PREに繋いで、ゲインを上げてからカメラのマイクインに繋いで録音したもの。


カメラ側の録音レベルは、0から1ステップだけ挙げた状態で、iRigPREのほうでゲインをあげて録ってます。




使用するにあたって

マウント

ネジ穴がないのでマウントには一工夫がひつようです。とりあえずこんな感じで、マジックテープを貼って、マイクホルダーにくっ付けれるようにしてみました。

iRig PRE 改造8
iRig PRE 改造9
iRig PRE 改造10
iRig PRE 改造11

写っているマイクはRode NTG2です。
iRigPREのミニジャックから、カメラのマイクインプットに接続します。

見た目、だいぶ大げさな感はありますが、まぁとりあえずは良しとします。

短いキャノンケーブル

そして、このセッティングに合わせて短いキャノンケーブルを作成。

市販されているケーブルだと、長すぎて束ねるのが面倒だったりするので、このように長さを合わせた専用のケーブルを作っておくと便利です。

この写真のケーブルに使っているコネクターは、ノイトリックの半田付け不要のタイプで、これだとケーブル制作がかなり楽なので紹介したかったのですが、調べてみたらもう生産中止でラインナップされていないようです。残念。
ちなみにコネクターの型番はこれです。
・NC3MEZ
・NC3FEZ

改造内容の解説

作り変えた配線の内容を解説をしておきます。

黄線はマイクの信号線(ホット)

赤線は、iPhoneからの帰りの右チャンネル、つまりヘッドフォンに送られる信号です。

黒線は同じくヘッドフォンの左チャンネルに送られる信号です。

緑線、印字の黒線(網線)はコールドとGNDです。

通常なら、iRigPREに接続したマイクの音声が、黄色のケーブルを伝ってiPhoneに入力されます。

そして、今度はiPhone側から赤、黒のケーブルを伝って、左右のステレオ音声が返ってきます。

これらの信号のやり取りを、1本の4極ケーブルで行うようになっていました。

iPhoneから返ってきた音声はそのままiRigPREのヘッドフォンジャックに繋がっているので、iPhoneのヘッドフォンジャックにケーブルを挿していても音声をモニター出来るという仕組みです。

ミニ4極プラグ(cita)

ということで、今回の改造で行った内容は、iRigPREのヘッドフォンモニター用のミニジャック(赤、黒)に、マイクの信号線(黃)を直結させたわけです。

こうすることで、iRig PREのミニジャックからマイク信号を取り出せるようにります。

以上です。

IK Multimedia「iRig PRE」